[ツール]⇒[一覧]⇒[ユーザ入力]で,言語資料に付与されているアノテーション内容の集計を行います。
アノテーションは,タグによって記述されているため,タグを指定して集計することになります。例えば,『青空文庫』サンプルでは,一つの作品に対して,「記事」というタグが付与されています。タグはいくつかの属性を持つことができ,「記事」には作品名や著者名の属性があります。
『青空文庫』サンプルの「記事」タグを使って,作品一覧を作成する手順は,次のとおりです。
「頻度」オプションをチェックすると,一覧の各項目の出現頻度を計測することができます。下の図は,「記事」の頻度を表示したものです。『青空文庫』サンプルには,作品は重複して登録されていないため,当然,各作品の頻度は1になります。
同様に,rタグ(ルビ)に対して,実行したのが次の図です。左図はrタグの属性rtを選択して表示したものです。rt属性には,ルビ本体が記述されているので,頻度付きのルビの一覧を作成することができます。
一方,右図は属性を選択しないで表示したものです。この場合,rタグの総数を計測することになります。
タグは,「第1層タグ」「第2層タグ」「第3層タグ」に複数指定することにより,タグ間の包含関係を考慮した一覧の作成が可能です。下の図は,「第1層タグ」に「記事」タグ,「第2層タグ」にrタグを指定することにより,「記事」に含まれるルビの数を計測しています。
「頻度」は最下層のタグを対象に計測します。上の例の場合は,rタグの頻度を「記事」ごとに計測することになります。
「長さ」オプションは,タグでマークアップされている文字列の長さを計測します。この際,マークアップされている文字列の中に含まれるタグや空白文字は,すべて長さ0として計測されます。
次の例は,「記事」タグでマークアップされている文字列(『青空文庫』サンプルの場合は一つの作品)に含まれる文字数を計測することになります。
「内容」オプションは,タグでマークアップされている文字列のための列を集計結果に追加します。
次の例は,rタグでマークアップされている文字列,つまり,ルビをつけられている文字列とルビをペアで集計しています。
「文脈」オプションは,指定したタグのうち,最下層のタグに関して,後続するnタグ分の情報を集計結果に追加します。なお,nは「文脈」オプションで指定した値です。
例えば,『青空文庫』サンプル(形態素解析結果付き)のmorphタグを使って,単語bigramを作成してみます。morphタグは「単語」をマークアップするためのタグです。「文脈」オプションの値は1とします。また,あわせて,「頻度」オプションもチェックします。この場合,後続する1単語をペアにして計測することになるので,bigramが得られることになります。ただし,『ひまわり』の内部では,作品の最後の単語の次の単語は,次の作品の先頭の単語として,記述されているため,一部不要なデータbigramの定義に沿わないデータが含まれることに注意して下さい。
結果は,次のとおりです(一部の列のみ表示)。これを見ると,最も出現頻度の多いのは,「た」+「。」であることがわかります。morph[0],morph[1]がそれぞれ1番目,2番目の単語を表します。
形態素解析結果など,外部アノテーションが施されている資料(言語資料の選択時に「外部DBあり」の資料)では,SHIFTキーを押しながら,検索結果をダブルクリックすると,当該の作品の外部アノテーション結果が一覧表示されます。
次の例は,『青空文庫』サンプル(形態素解析付き)で,「我輩」を検索し,その中の一つをSHIFT+ダブルクリックした結果です。1行1形態素で,「_TEXT」列が本文に相当します。